【コラム】冷静になるって難しい…

「災害時は、先生は冷静に行動しなければならない。」

保育現場では、よく聞く言葉ですよね。
でも、冷静になるって、結構難しいんですよね。
今日は、そんなお話をします。

私自身、普段はわりと落ち着いているタイプだと思っています。
しかし!どうしてもダメなものがあります。
それは――虫です! 特にムカデやクモなどの這う虫…想像しただけでゾワゾワします。

あの無数の足、予測不能な動き、そして、小さな身体なのに、圧倒的な存在感…。
もう、見つけた瞬間に私の思考回路は完全に停止。文字通り、フリーズしてしまいます。
そして、一番恐ろしいのは見失った時。
「あれ?さっきまであそこにいたのに…どこ行った!?」という瞬間、もう心の中で「今日は眠れない…」と覚悟します。

普段、自然の中で子どもたちと一緒に虫を観察している先生たちには笑われてしまいそうですが、苦手なものは苦手なんですよね。

だから私は、1階と2階それぞれに同じ殺虫剤を常備するという徹底ぶり!
以前、家の中でクモを見つけてパニック状態になりながらも必死で倒したのですが、その時に使ったスプレーが、「凍らせて行動を停止させる」タイプだったんです。動かなくなってホッとしたのも束の間、しばらくするとまさかの復活…!再び大パニックになった苦い経験があります。
それ以来、「殺虫成分が入っている」としっかり書かれたものを選んで備えるようにしています。

こうした日常のひとコマから感じるのは、「冷静にならなきゃ」と頭でわかっていることと、実際に冷静でいられるかは全く別の話だということです。
誰にでも苦手なもの、怖いものがあります。それは決して悪いことではありません。

だからこそ本当に大切にしたいのは、
「自分の苦手とちゃんと向き合うこと」。
そしてその上で、「自分は何ができるか」を考えておくことではないでしょうか。

保育現場では、子どもたちの安全を守るために先生たちの冷静さが求められます。

でも、もし地震の揺れで自分の足がすくんでしまったら?
もし声が出なくなってしまったら?
もし頭が真っ白になってしまったら?

その時、「自分はどう動けるか」――だけではなく、災害時に「自分の心がどうなるか」も想像しておくことが大切です。

「私の苦手なことは何だろう?」
「どんな場面で私は冷静さを失いやすい?」
「思いがけないことが起きた時、私はどんな反応をしやすい?」
「そんな時、自分にできることは何だろう?」
「他の先生たちは、どんな不安を感じているんだろう?」

普段からこうしたことを先生同士で共有しておくことが、いざという時にお互いを支え合い、子どもたちを守るための強いチームを作る第一歩になるのではないでしょうか。

自分以外に頼れる大人がいる――それは本当に心強いことです!
保育現場の経験値の差はあっても、災害時には「今、何が必要か」を判断して、冷静に声を上げられる人が自然とリーダーシップを発揮できる環境があると、とても頼もしいです。

役割分担だけではなく、お互いの強みを活かし合えるチーム作りが、子どもたちを守る力になると思います。

さて、これからやってくる夏。
虫に遭遇する機会も増えるので、まずは家の周辺に忌避剤を撒いて屋内への侵入を予防し、いざ目の前に現れた時のために殺虫剤を備えておこうと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。