園児の帰宅困難に備える

 今回のお話は「園児の帰宅困難」についてです。

 地震発生後や水害の危険性が高まった時には、子どもを迎えに来てもらえるよう、保護者へお願いしている園が多いと思います。しかし、災害時には仕事の都合で、どうしてもお迎えに行けない保護者がいることを想定していますか?特に、次の職業の保護者は、すぐにお迎えに来ることは出来ない可能性が高いです。

●教職員(学校関係者・保育者)
 皆さんと同様に子どもたちを守っているため、すぐにお迎えに来ることは出来ません。
●介護施設職員
 利用者の命を守らなければいけないため、すぐにお迎えに来ることは出来ません。
●公務員
 災害時は住民の対応が必要なため、すぐにお迎えに来ることは出来ません。
●消防隊員・自衛隊隊員・医療関係者
 災害発生後は、人命救助が最優先となるため、すぐにお迎えに来ることは出来ません。

 これらの職種以外にも、災害時に家族よりも職務を優先しなければならない方もいらっしゃると思います。また、首都圏においては、帰宅困難者が多くなると、救急車や消防車の通行の妨げとなり、救える命が救えないなどの原因となることから、従業員や利用者が一斉帰宅せず、職場に待機するように呼びかける取り組みが進んでいます。

 このように、長時間の保護が必要となる園児がいる可能性があります。どのように対応するか、事前に保護者の方と話し合っておきましょう。また、それぞれの園には、子育て中の先生がいらっしゃると思います。お子さんが通っている園や学校の災害対応について、事前に確認・相談しておくことも大切です。

 そして、保護者が仕事をしているかどうかにかかわらず、交通機関の停止、自宅や職場の被災、兄弟姉妹のお迎えなど、すぐに迎えに行くことが出来ない可能性があることも忘れてはいけませんね。

 園児を保護する際の対応方法や、備蓄品などを話し合い、保護者と共有しておくことが大切です。無事に引き渡すまでの間、安心安全に子どもたちを保護するためにしっかりと備えておきましょう。