「おかしもち」の「し」は絶対に守らなきゃいけない?

今回のお話は「おかしもち」についてです。

災害時のお約束として、園では子どもたちに「おかしもち」のお話をしていると思います。

「お」…おさない
「か」…かけない(はしらない)
「し」…しゃべらない
「も」…もどらない
「ち」…ちかよらない

定期的に行われている避難訓練でも、子どもたちはこのお約束を守って行動していると思います。

でも、この中には伝え方を間違うと命に関わることが1つあります。

それは「し」です。
しゃべっていると先生のお話が聞こえなかったり、煙を吸い込んでしまったり。
「しゃべらない」というのは、命を守る行動をするために、とても大切なお約束です。

しかし、何かトラブルがあった場合はどうでしょうか?

●頭を打ってしまった。
●ケガをしてしまった。
●おともだちが痛がっている。
●おともだちの様子がいつもと違う。

「しゃべらない」というお約束を守ろうとして、痛みを我慢してしまい、先生たちが危険な状況に気づけない可能性があります。

特に頭をぶつけたことを我慢してしまうと危険です。
避難中でも、先生が意識して経過観察できるように、まずは子どもから発信してもらうことがとても大切です。

子どもたちが先生に助けを求められるように、「おかしもち」を伝える時に一緒に伝えて欲しいことがあります。

それは「おしゃべりしてもOK!」という状況を具体的に伝えることです。

例えば
「痛いところがあったら教えてね」
「どこかに身体をぶつけてしまったら教えてね」
「おともだちがケガをしていたら教えてね」
などです。

災害時の備えとして、子どもたちがケガをしないように園内の安全対策をすることが最優先であり、大前提です。
しかし、もしもケガをしてしまった時のことを想定して、対応を具体的に考えておくこともとても重要なことです。

子どもたちはとても素直です。大好きな先生とのお約束を子どもたちは一生懸命に守ることでしょう。

しかし、災害時は状況に合わせた臨機応変な対応が必要です。

だからこそ、事前に「こんな時は言ってね」「こんなことがあったら教えてね」と、子どもたちがSOSを出すべき時と伝える方法を具体的に教えてあげてくださいね。